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会社の上司から”公害防止管理者 水質第一種”を取得して欲しいと言われました。。。どのような勉強をすれば、合格できますかね?
この記事は2023年度 公害防止管理者 水質第一種に合格した筆者toi3が解説するぜ!
そもそも公害防止管理者 水質第一種って何?
会社の上司から取れって言われたけど、そもそも公害防止管理者 水質第一種って何?
公害防止管理者は、ざっくり言えば、公害を防止する為に工場にいなきゃいけない人だな。水質は、工場でモノをつくる時に出る水を指している。第一種、第二種、第三種、第四種があって、工場の排水量によって区別される。第一種は、排水量がめちゃんこ多い工場にいなきゃいけない資格やな。
確かにウチの工場は、大きいっすね。というか結構、試験が難しいって聞いたんですが?
試験の設問自体は難しくないが、いかんせん範囲が広い。これがきつい。試験は『新・公害防止の技術と法規』というテキストから出題されるのだけど、このテキスト、通称「電話帳」と言われていて約1000ページある。
1000ページはヤバいっすね。。。
せやなー。しかもこのテキスト、読みづらい。理解しづらい。眠くなる。
すごいディスるじゃないっすか。
まず、法律が関わっていて、この法律の条文が、慣れないと読みづらい。()の中に()があったり、別表に飛ばされたり、文章の修飾語が長くて、この文章、何を言っているんだ?・・・ってなる。あと、初めて見ると、よくわからない達成率の数値の表とか、20コ近い有害物質と基準値の表とかが出てきて、こんなの覚えなくていいだろう、と思ってたら、試験に出たり、どこがか要点がわからん。さらに、似たような内容がよくでるから、全体を把握していないと、今、何を勉強しているのかわからなくなる。
いやー、それはしんどいっすね。
一応、試験は5科目あって、すべて合格する必要があるけれど、合格した科目は2年後まで合格を持ち越せるから、数年計画で取得する手もある。
それはいいっすね!
毎回、試験代12,300円かかるけどね。。。まぁ、会社から取ってと言われているなら、会社がある程度はお金をだしてくれそうだけど。そこは、会社によりけりかな。
因みに、資格をGETできて、お得なことは?
該当する工場は法律上、絶対にいなきゃいけない有資格者だから、工場運営する立場から言えば、取っている人がいないと困るのよね。個人としては・・・どうだろう? できる仕事が増える? かな。
流石は、ワーカーホリック…
(閑話休題)
各試験科目の出題の特徴を把握する
以降の記述ページは『新・公害防止の技術と法規2023』のページを記載しています。
公害防止管理者 水質第一種は5科目((1)公害総論、(2)水質概論、(3)汚水処理特論、(4)水質有害物質特論、(5)大規模水質特論)それぞれ6割以上正解することで合格になります。水質第一種の試験は『新・公害防止の技術と法規』から出題されますが、「全編共通(255ページ)」、「水質編 水質概論(396ページ)」、「水質編 技術編(544ページ)」の3冊構成と出題範囲が非常に広いです。加えて、出題傾向はあるのですが、過去問を丸暗記しただけでは合格できないように出題内容・選択肢が毎年変更されています。
つまり、正攻法で『新・公害防止の技術と法規』をすべて勉強するには負担が大きく、過去問丸暗記といった飛び道具は通用しないやっかいな試験です。
公害防止管理者 水質第一種の各試験科目は丸暗記は通用しませんが、出題傾向は確かにあります。各試験科目の出題傾向を把握し、その範囲を勉強すると良いでしょう。本記事では(1)公害総論について勉強法を解説いたします。
公害総論(出題15問:合格9問以上正解)
公害総論の出題範囲は、①環境基本法及び環境関連法規の概要、②特定工場における公害防止組織の整備に関する法律体系、③環境問題全般、④環境管理手法、⑤国際環境協力の5つです。しかし、⑤国際環境協力は過去ほとんど出題されていないので割愛します。
環境基本法及び環境関連法規の概要(3~4問出題)
環境基本法及び環境関連法規の概要では、(i)環境基本法と(ii)環境関連法規から出題されます。それぞれ、出題形式が異なるので出題傾向を把握しましょう。
環境基本法
環境基本法には、環境に対する基本的な理念や施策が記載されており、この後出てくる環境関連法規の上位に位置する法律です。出題数は毎年、2〜4問出題され、法律の条文がそのまま出題される傾向にあります。その為、出題頻度の高い条文の暗記が得点の近道です。出題頻度の高い条文は以下の通り。
目的 第1条 | p119 |
定義 第2条 | p119-p120 |
環境の恵沢の享受と継承等 第3条 | p120 |
環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等 第4条 | p120 |
事業者の責務 第8条 | p121 |
第1節 施策の策定等に係る指針 第14条 | p122 |
第2節 環境基本計画 第15条 | p122 |
第3節 環境基準 第16条(最頻出条文) | p122-p123 |
第4節 特定地域における公害の防止 第17条 | p123 |
第5節 環境影響評価の推進 第10条 | p123-p124 |
環境関連法規
環境関連法規は、環境基本法の下位に位置する法律で、下図の様に非常に数が多いです。出題数は毎年、0〜1問と少なく、各法律とその法律用語の組み合わせの正否を問われる傾向にあります。関連法規数が多い割りに出題数が少ないので、環境関連法規は失点覚悟で勉強しない判断もありです。
気になる場合は、過去5年分の過去問と解説が記載された『公害防止管理者等国家試験 正解とヒント』で該当設問の確認と『新・公害防止の技術と法規 全編共通』のI.2.3環境関連法の概要(p17-26)、I.2.4循環型社会形成関連法の概要(p27-32)、I.2.5環境影響評価法の概要(p33-35)を読んでおく。程度で良いでしょう。
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律体系(1~2問出題)
特定工場(=公害防止管理者を置かなくてはいけない工場)における公害防止組織の整備に関する法律体系からは、毎年1〜2問出題されます。出題は、(i)特定工場の条件、(ii)公害防止組織の選任・届け出・条件、(iii)公害防止管理者の職務、(iv)罰則から出題される傾向にあります。暗記が必要なポイントが少ないので、得点源になる科目です。各ポイントは『公害防止管理者等国家試験 正解とヒント』の該当設問の解説欄にまとめられています。自ら、ポイントをまとめるのも良いでしょう。
環境問題全般(9問出題)
環境問題全般では、(i)オゾン層の破壊、(ii)地球温暖化、(iii)大気汚染問題、(iv)水質環境問題、(v)騒音・振動問題、(iv)廃棄物問題、(v)化学物質問題から出題されます。最新の『新・公害防止の技術と法規 全編共通 I.5最近の環境問題』の数値や順位が出題される傾向にあります。過去問暗記だとココで失点しますので要注意です。
環境管理手法(1問出題)
環境管理手法は、(i)環境影響評価(環境アセスメント)、(ii)環境マネジメント、(iii)リスクマネジメント、(iv)LCA(ライフサイクルアセスメント)、(v)環境ラベルから出題されています(『新・公害防止の技術と法規 全編共通 I.6各種環境管理手法に関する事』)。ここは、出題傾向が絞れていますので、暗記量は少なめです。
環境影響評価(環境アセスメント)
環境アセスメントの対象事業一覧(表I. 6. 1-1 『新・公害防止の技術と法規 全編共通』p93)の発電所について、第一種事業とその条件の組み合わせが出題されています。ざっくりの数値を暗記します。
環境マネジメント
『新・公害防止の技術と法規 全編共通』p95の文言を繰り返し読んで、内容を把握しておきます。
リスクマネジメント
「リスクアセスメント」、「リスク対応・モニタリング・レビュー」、「リスクコミュニケーション」の内訳が出題されています。表I. 6. 4-1 『新・公害防止の技術と法規 全編共通』p104を暗記します。
LCA(ライフサイクルアセスメント)
LCAの実施手順(図I. 6. 3-2 『新・公害防止の技術と法規 全編共通』p101)の文言から出題されていますので、該当の図を暗記します。
環境ラベル
細かい内容は過去問われていません。タイプIが第三者認証、タイプIIが自己宣言、タイプIIIが情報開示。というポイントを覚えておきます。
以上が公害総論のポイントだ!
いや、もうおなか一杯なんですが?
まぁ、わかる。公害総論は 『新・公害防止の技術と法規 全編共通』全256ページからの出題だから、ココだけでも範囲が広い。過去5年分の過去問と解説が記載されている『公害防止管理者等国家試験 正解とヒント』から出題箇所が、『新・公害防止の技術と法規 全編共通』のどこに該当するか線引きすると、そこから出題されるの!?と衝撃を受ける。
正直、ポイントだけだと全体感がわからないっすねー
公害総論の全体感を押さえると、比較的わかりやすくなるかな。先ず、公害防止最上位の法律である「環境基本法」とその下に位置する「環境関連法規」からの出題。そして、公害防止管理者がいなくてはいけない条件として「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」から出題。そして、最近の公害に関わる環境問題として「環境問題全般」の知識を問い、具体的な「環境管理手法」から出題される。
いやー、厳しいっすね。
先ずは、全体をつかむ所からスタートだな!
おわりに
今回は、公害防止管理者 水質第一種の(1)公害総論を解説しました。『新・公害防止の技術と法規』はページ数が多いので、全体感を把握し、今何を勉強しているか認識しながら勉強するとよいでしょう。また、『公害防止管理者等国家試験 正解とヒント』で出題傾向を抑え、『新・公害防止の技術と法規』の該当ページに焦点を絞って勉強するとよいでしょう。
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